北大医学部第二病理同門会
会長挨拶
北大第二病理は大正11年木下良順教授開講以来安保、恩村、長嶋教授を経て、現在の五代目田中伸哉教授に至るまで92年の長きに亘り幾多の名教育者、研究者を輩出し、その名を全国的に知られて参りました。
大学機構改革に伴い、教室の存続危機等幾多の困難な時代を長嶋教授、現田中教授、田島名同門会会長や同門会諸氏の一致団結した多大なるご努力とご支援により諸問題を解決し乗り越えて参りました。
この度、初代同門会長小谷武彦先生、二代目田島邦好先生のあと第一外科、第二病理の大先輩である田島先生のご命令により小生が第三代目の同門会会長を仰せ付かることになりました。
小生は卒後研修、インターン闘争による全国的学生運動の高まりにより、医師国家試験ボイコットの時代で卒後、教室大学院4年、研究生時代を合わせて同期5人と第二病理教室に5年間お世話になりました。その後、第一外科にて外科医としてその後、精神科にて精神科医の勉強をさせて頂きました。
社会情勢が目まぐるしく変化する中、日本の病理医の絶対数不足や医師法第二十一条に係る医療事故調査制度の創設に伴い病理医の活動活躍する場が年々多くなっており、医療現場の指南役としての病理医のニーズが高まっています。このように環境的にも教室関係者への期待が高まり、今後教室に多くの期待が寄せられています。
これからも世代を超えた情報交換、交流、切磋琢磨が必要と考えております。
わたくしたち同門会員一同は前長嶋和郎教授のもとに世界から俊英を集め新知見を発信し発展を遂げた我が教室が現在の田中伸哉教授を中心に世界の第二病理として更なる飛躍することを期待し、出来る限り応援したいと考えております。今後とも皆様の絶大なるご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
北野 明宣 (平成25年12月)
沿革
北海道大学医学部病理学第二講座は大正11年(1922年)に開講され、我が国の歴史とともに大きな研究成果を発信し、人材を輩出してきました。教室の歴史と沿革は開講90周年記念誌(下段)を参照してください。
その歴史の中で、第二病理同門会が発足したのは昭和53年にさかのぼります。会発足当時の様子を現同門会長の田島邦好先生(35期)が記されています。
「昭和45年の忘年会が散会した後に、先輩の小谷武彦先生、武井嘉夫先生、新井寛先生、横井潤二の諸先生に井上和秋、平間博、藤岡保範といった現役教室員の先生方が集まり、恩村教授の時代になって、更に増加しつつある同門の相互の連携と、親睦をはかることを目的に第二病理同門会の結成を決めた、と聴いております。そして昭和53年12月、会則が制定されています。
初代会長は小谷先生、副会長は都留美都雄先生(当時脳外科教授)、それに平間講師があたり、名誉顧問に安保名誉教授、又顧問として現役の恩村教授が着かれました。
初代会長の小谷先生は、文字通りこの会の生みの親であり、恩村教授の初期の時代から、現長嶋教授へと連なる約25年間にわたり、教室の数々の事業や研究に熱心な支援を続け、教室と同門の橋渡しとしての役割を全うしてこられました。」
(北海道大学病理学第二講座開講七五周年記念誌、田島邦好同門会長のご挨拶より抜粋)
歴代同門会長
初代会長 小谷 武彦(昭和53年12月~平成7年12月)
第2代会長 田島 邦好(平成7年12月~平成25年11月)
第3代会長 北野 明宣(平成25年12月~現在)
会員数 (2018年10月現在)
現会員:160名 物故会員:87名
歴代技術員:19名 歴代秘書:7名
同門会行事
- 夏:同門会親睦ゴルフ大会(長嶋杯)
- 年末:総会および忘年会
長嶋賞
若手研究者の育成を目的に2009年に、長嶋和郎名誉教授によって創設された賞。7名から構成される選考委員会によって若手の発表から決定され、年末の同門会総会で表彰式が行われています。
受賞者
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【2022年】第14回
・鈴鹿 淳
Suzuka, J., Tsuda, M., Wang, L., Kohsaka, S., Kishida, K., Semba, S., Sugino, H., Aburatani, S., Frauenlob, M., Kurokawa, T., Kojima, S., Ueno, T., Ohmiya, Y., Mano , H., Yasuda, K., Gong, JP., and Tanaka, S. Rapid reprogramming of tumour cells into cancer stem cells on double-network hydrogels
Nat Biomed Eng., 5, 914-925, 2021.
・Umma Habiba
Habiba U, Sugino H, Yordanova R, Ise K, Tanei ZI, Ishida Y, Tanikawa S, Terasaka S, Sato KI, Kamoshima Y, Katoh M, Nagane M, Shibahara J, Tsuda M, Tanaka S. Loss of H3K27 trimethylation is frequent in IDH1-R132H but not in non-canonical IDH1/2 mutated and 1p/19q codeleted oligodendroglioma: a Japanese cohort study.
Acta Neuropathol Commun., 9, 95, 2021 -
【2021年】第13回
・植村 慧子
Uemura S, Wang L, Tsuda M, Suzuka J, Tanikawa S, Sugino H, Nakamura T, Mitsuhashi T, Hirano S, Tanaka S. Signaling adaptor protein Crk is involved in malignant feature of pancreatic cancer associated with phosphorylation of c-Met
Biochem Biophys Res Commun, 524, 378-384, 2020
・種井 善一
Tanei Z, Saito Y, Ito S, Matsubara T, Motoda A, Yamazaki M, Sakashita Y, Kawakami I, Ikemura M, Tanaka S, Sengoku R, Arai T, Murayama S. Lewy pathology of the esophagus correlates with the progression of Lewy body disease: a Japanese cohort study of autopsy cases
Acta Neuropathol, 141, 25?37, 2021 Epub 2020 Nov 5
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