写真で見る研究室の一日
この日は週のはじまりの月曜日、様々なミーティングが行われる日で、病理に関して、また研究に関して熱心に討論、指導が行われています。研究や病理診断の時間を有効に活用できるようにミーティングは意図してほぼ1日に集中しています。
週間予定、その他の行事は、教室スケジュールをご覧ください。
北大医学部の中研究棟の4階に腫瘍病理学教室(分野)があります。平成20年10月1日~平成29年3月31日は探索病理学講座(寄附講座)も併設されていました。
メンバー全員が集合し、1週間のスケジュールや連絡事項の確認、剖検の確認などを行います。なごやかな中にも、気持ちのよい緊張感が感じられます。
「ミクロレビュー」は、剖検執刀者が剖検報告書を作成し、画像を投影しながら所見を提示します。剖検報告書は複数の専門医の目をとおり確認され、担当医は指導を受けます。最終的には教授の検閲を通過して臨床医に正式に報告されます。
「マクロレビュー」は、剖検室にて、前の週に行われた剖検臓器を細かく観察し、臨床経過とともに提示して議論します。数多くの剖検を経験することで、知識と理解が深まります。
細胞培養は医学研究の基本手技です。毎日みてあげないと細胞はすぐに機嫌をそこねます。必要に応じて培地を交換して栄養分を与えます。
癌細胞からDNAを抽出して目的の遺伝子の変異について調べます。またヒトの病理組織検体を用いてmRNAの発現量をqPCR法で解析することで治療薬が決まります。ピペットマンの操作にも早めに慣れたいところです。
標本製作室では、細胞をロウ(パラフィン)で固めたものを薄く削り、プレパラートにのせて標本を作製します。病理診断に用いられる大切な標本です。
お昼休みを利用して、前週に診断した症例から、教育的な症例や貴重な症例、問題症例など1つピックアップして提示し、検討する場です。学生さんも多く参加して勉強しています。ランチ持ち込みOKです。
教授以下教員スタッフ全員で、研究・教育・病理活動の現状と方向性について話し合い、コンセンサスのもと全方向の教室活動が展開されます。
「ジャーナルクラブ」は、毎週1名が、Nature、Science、Cellおよびその姉妹雑誌に掲載された論文を1つ提示します。発表の持ち時間は30分。その後15分で討論を行います。
「リサーチトーク」は、毎週2名が研究の進行状況を発表します。資料やレジメは全て英語表記です。
教室では、患者さんの生検や手術の検体の病理診断が行われています。大学院生はその日に出来上がった標本を下見します。病気を調べて、組織像を教科書で勉強して所見を自分で書いていきます。院生どうし話し合いながら勉強します。
下見が終わると、スタッフの先生がチェックします。1つの標本を10人で観察できる顕微鏡を使って見るので、詳細な指導を受ける事ができます。
教員が担当している学生さんを指導するグループミーティングです。実験の詳細を確認したり、研究のやり方について議論したり、様々な疑問が解決できる貴重な時間です。こうして、充実した1日が過ぎていきます。
剖検は病理の大学院生とスタッフがペアで週1日当番として担当します。原発不明癌、神経変性疾患、間質性肺炎、膠原病、感染症など様々な症例を経験します。